掃除のしやすさや手間などの観点から好まれやすい床材と言えば、フローリングを思い浮かべる方は多いと思います。
例えそれが迎えた愛犬にとって好ましくない床材だと分かっていても、すぐに床材の張替えなんて現実的ではないですし、賃貸なら尚更張替えは出来ないですよね。
しかしいつまでもそのままだと愛犬の足腰の負担も気になるところ…。
そこで今回は、犬に最適な床材選びのコツから注意点などをご紹介します。
犬にとってのフローリングとは?

一般的に表面が円滑なフローリングは、私たち人にとっては、とても過ごしやすい床材の一つです。
掃除のしやすさはもちろんのこと、清潔さを保ちやすい特徴も持ち合わせているため、ダニなどの発生も防げます。しかし、これらはあくまでも私たち人目線でのお話。
犬たちの目線からフローリングという床材を検討した際には、人ではあまり感じられない心配事が生まれます。それが、滑りやすさと足腰への負担です。
通常、人の二足歩行と犬の四足歩行では、圧倒的に四足歩行の犬の方が安定性に長けています。
にもかかわらず、これがフローリングとなってしまうと、途端に人以上に犬がヘルニアを含む足腰の疾患発症リスクが高まるのは、なぜでしょうか?
それは、元々犬がフローリングの滑りやすさに対応しづらいことと、犬の水平に並ぶ椎骨が水平方向の飛び跳ねや滑りなどの衝撃に弱いためです。
また、犬の場合は犬種の大きさの違いや被毛の長さの違い、肉球サイズの違いなどによっても踏ん張り強さは異なります。
そのため、フローリングの多いご家庭では、まずは犬種の特徴などと合わせて、ご自身の暮らしにも合った床材の検討をするのが重要です。
犬の滑りやすい材質を避けるためには?

一般的にリビングなどに使用されているフローリングの床材は、犬にとってはどれも滑りやすいものだと思います。
その証拠に、多くの場合、犬がフローリングなどの床で起きやすい怪我は、約40%が脱臼で、約25%が骨折とされています。
▽『犬がリビングで起こしやすい怪我』
この背景には、滑りやすいフローリング素材の特徴ももちろん関係していますが、それと同時に東京工業大学(現・東京科学大学)の横山裕(よこやま ゆたか)教授らが2013年に示した犬における各種床材の滑り抵抗係数(数値が高いほど滑りにくい)や犬自身の動作による滑りにくさ(数値が低いほど滑りにくい)などについては、以下のような内容が証明されました。
▽『犬にとって滑りやすい床材係数』
▽『犬の動作による滑りにくさの違い』
床材に至って言えば、人においても、滑りやすい地面に対して使用に適した素材がゴム系統なのと同じように、犬においてもゴム系の素材が一番滑りにくいという結果となりました。
ただ、ゴム系のグリップ力の高いカーペットやマットでも、実際には床との接地面に大きな抵抗があるようでは、逆に躓きやすくなる危険性もあるため、注意する必要があるでしょう。一方で、犬の動作による滑りにくさについては、歩き出しが最も滑りづらく、飛び出しが最も滑りやすい結果となったのは、当然の結果にも思えます。
しかし、これは上記でも述べたように、あまりにも地面との抵抗性が高いゴム製のカーペットやマットでも、度が過ぎればフローリングと大差なく危険性が高まる恐れがあるため、バランスの取れた素材を選ぶことが大切です。
犬に最適な床材選びのコツって?

それでは、犬に最適な床材選びのコツは、どういった点に気を付ければ良いのでしょうか?
以下で確認してみましょう。
コツ①:犬種に合わせた床材性能を考える
上記でも述べましたが、一口に犬と言っても、犬には犬種の大きさの違いや被毛の長短、性格の違い、幼犬かシニア犬か、肉球の大きさの違いはどうかなどによって、その特徴は大きく異なります。
我が家の愛犬の場合、それぞれの体格、肉球の大きさを比較すると、2代目そら>初代ミッキー>3代目つむぎ、またグリップ力の長け方を比較すると、初代ミッキー>2代目そら>3代目つむぎ、そして性格の落ち着き具合で比較すると、初代ミッキー>2代目そら>3代目つむぎの順で、落ち着いていました。
この違いは、我が家の部屋のレイアウトにおいてもちょっとした違いがあり、ミッキーだけだった際にはほぼフローリングでも問題のない状態、ミッキーとそらの多頭飼養となってからは階段や良く入る部屋に対してはカーペットなどを敷く、三代目つむぎにおいてはフローリングだったものは全面カーペット仕様に、という形でその時々で床材の仕様を変えたため、まずはご自身の愛犬の特徴に沿って、床材性能を考えると良いでしょう。
コツ②:歩きやすさに気を付ける
通常のフローリング素材などは、掃除のしやすさには定評があっても、犬にとっては歩きやすさが、人にとっては傷つきにくさがどうしても欠けてしまいがちです。
そのため、最低限犬のために気を付けたいこととして挙げると、歩きやすさなどを重視してあげることが大切です。具体的には、愛犬が座った時に滑って足が開かない程度のグリップ性を保てる床材を選ぶこと。特に足腰に負担が掛かりやすく椎間板ヘルニアなどの疾患になりやすいダックスフンドといった犬種においては、足がひとりでに滑って開いてしまうようでは、椎間板ヘルニアの助長、股関節などの痛みの原因となってしまうため、愛犬が座った時に正面から見て真っ直ぐ左右対称に座れている姿勢になれるような床材を選ぶと良いでしょう。
コツ③:カーペットの選び方に気を付ける
カーペットは人にとっては足触りが良く、犬にとっては滑ることがないため、とても良い床材と言えます。
ただ、フローリングなどに比べてカーペットは防汚性が劣り、掃除もしにくいといったデメリットが生じます。また、犬種によってはホリホリして、時に爪を引っ掛けてしまったりすることも…。そのため、こうしたことも想定し、カーペットを床材として選ぶ際には、撥水加工のされたタイルカーペットやジョイントウッドカーペットなどを選ぶと効果的です。
尚且つ、そのタイルカーペットの中でもパイル素材のものを選ぶなら、愛犬の爪が万が一引っ掛からないようにするために、ループパイルのタイルではなく、カットパイルのカーペットを使用すると、爪を引っ掛けずに、安心して使用することが出来ます。
床材を選ぶ際の注意点

人にも犬にも優しい床材を選ぶ際には、犬の本能にも気を配る必要があります。
人にとっての掃除のしやすさに特化したフローリングは、犬にとっては歩きにくさに繋がるため、犬からはあまり好まれません。しかし、犬にとっての歩きやすさや土の触感に似た触り心地に近い畳やカーペットは、人にとっては場合によって厄介になってしまうことも少なくありません。
犬は時にカーペットや畳といった素材を、その柔らかい触感や、い草の匂いから『ここはトイレにピッタリ』と勘違いすることがあります。
人の数倍~数千倍、時と場所によっては数万倍もの鋭い嗅覚を持ち合わせると言われる犬からすると、一度そこに臭いが付くと再度同じようにトイレと誤認してしまう可能性があるのには注意が必要です。
また、それだけではなく地面を良くホリホリしたがる愛犬の場合、カーペットや畳はすぐにボロボロになってしまうデメリットもあるため、状況に応じた床材選別に注意しましょう。
我が家の愛犬つむぎは畳での直接ホリホリはしないものの、散歩から帰った後の興奮からくる全速力によってジョイントマットなどは爪でボロボロとなるため、一部屋だけある畳の部屋には賃貸ということもあって、夏はい草のカーペットを敷いて、冬はその上にラグマットを敷くという、二重の対策をしています。
このような注意については、事前に愛犬へのしつけや対策をして、出来る限り対処するよう心掛けましょう。
まとめ

犬を迎えていると、どうしても床材については状況に応じた対策が必要です。特に胴長短足で、椎間板ヘルニアになりやすい犬種の場合は、迎える前から床材への対策は検討しておくことが賢明です。
四足歩行で地面への安定性のある犬でも、人が好むフローリングの前では、早め早めの対策は不可欠なので、対策する時には、ぜひ愛犬が若い内から検討してあげてくださいね。
<参考書籍>
犬のための家づくり解剖図鑑 犬も人も幸せになる家づくりの工夫|X-Knowledge
<参考サイト>
【獣医師が解説】ペットとの生活編: テーマ「リビングでの暮らし」|帝塚山hound CAM
>https://www.houndcom.com/blog/archives/6257
<画像元>
Canva
筆者提供
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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