自由に走り回れてお友だちとも遊べるドッグランは、犬にとっても飼い主さんにとっても魅力的な場所ですね。
そろそろ愛犬をドッグランデビューさせたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でもデビューの仕方を間違えると、思わぬトラブルや愛犬のストレスにつながることもあります。
今回はドッグランデビューをする上で知っておきたいポイントを7つご紹介します。
愛犬が楽しく安全に過ごせるように、準備はしっかり整えておきましょう。
<目次>
ドッグランデビューのポイント①「愛犬がドッグランに入れる状態かチェック」

ドッグランデビューをする前に愛犬がドッグランに行っても問題ない状態かチェックしておきましょう。
▼あなたの愛犬はドッグランに行っても大丈夫?
・ワクチンや狂犬病の接種は終わっているか
・発情期や伝染病にかかっていないか
・社会化は十分にできているか
・どんな場所でも呼び戻しができているか
・他の犬に会ったときに攻撃的になったり怖がったりしていないか
いままで色々な犬と触れ合った経験がないのに、いきなりドッグランに行くと愛犬が怯えたり犬との接し方がわからずトラブルが起きる可能性があります。
ドッグランデビューを考えている場合は、子犬のときからしっかり社会化を行い、パピーパーティーや犬の幼稚園など他の犬との接し方を十分に学ばせてからいきましょう。
また、ドッグランに行くうえでの必須条件は「呼び戻し」ですが、部屋の中では出来ても場所が変わるとうまく出来ないということは多いです。
部屋だけではなく、庭や公園など場所を変えても呼び戻しができるように訓練しておきましょう。
ドッグランデビューのポイント②「利用するドッグランのルールを調べておく」

ドッグランデビューを成功させるには事前の情報収集がとても大切です。
ドッグランごとに設けているルールや利用規約は異なるので、利用前にかならずホームページなどに目を通しておきましょう。
▼ドッグラン利用前に知っておきたい情報一覧
・サイズ別のエリアがあるか
・排泄物の処理方法
・管理者常駐しているか
・ワクチンや狂犬病の証明書の提出の有無
・駐車場はあるか
・子供の出入りが許可されているか
・おやつやおもちゃは持ち込み可能か(※)
(※)おもちゃや食べ物の持ち込みが許可されていることもありますが、他の犬が欲しがってトラブルに発展することがあるので、持ち込まない方が安全です。
不特定多数の犬や人が利用するドッグランはトラブルが起きやすい場所でもあります。
もしものときに備えて「ドッグランの管理者の有無」や「トラブルが起きたとき対応がどうなっているか」まで調べておくと安心です。
ドッグランデビューのポイント③「犬が少ない時間帯に短時間だけ滞在する」

ドッグランデビューは、人も犬も少ない日や時間帯を選ぶのがおすすめです。
犬の常連グループや活発に遊ぶ子が多い日に行くと、愛犬が匂いチェックのために取り囲まれたり激しい遊びに巻き込まれて、萎縮してしまうことがあります。
平日の午前中や天候が微妙なときは比較的空いていることが多く、愛犬にとっても穏やかなデビュー環境を作ることができます。
また、最初から長時間滞在すると疲れすぎたり、ストレスを感じてしまうこともあります。
愛犬が「もう少し遊びたい」と思えるくらいで切り上げるのが理想です。
初回は10〜15分程度から始め、慣れたら徐々に時間を延ばしていきましょう。
ドッグランデビューのポイント④「いきなりドッグランに入らない」

ドッグランに着くとすぐに中に入りたくなりますが、初めての場所に突然入ると犬は不安や警戒心を強く感じ、興奮状態になってしまうことがあります。
その状態でドッグランに入ってしまうと、興奮して駆け回ったり飼い主の言うことを聞かずに他の犬に飛びかかるなど、トラブルに発展してしまうかもしれません。
まずはドッグランの周りを散歩しながら、ドッグラン内の音や匂い、雰囲気に慣れさせましょう。
他の犬たちの動きや吠え声が気になって落ち着かない様子なら、無理に中に入らず「見学」だけでも十分です。
愛犬に「ドッグランは落ち着ける場所」と覚えてもらうことが、今後ドッグランを利用するうえで大切なポイントになるので「せっかく来たから」と無理をさせないようにしましょう。
ドッグランデビューのポイント⑤「いきなりリードを外さない」

ノーリードが基本のドッグランですが、入ってすぐにリードを外すのは危険です。
特に扉の出入りはドッグラン外への脱走のリスクが高いので、リードをつけたまま出入りするようにしましょう。
ドッグラン内に入ってもしばらくはリードをつけたまま様子を見て、愛犬が周囲に慣れて落ち着いてから外すようにしましょう。
緊張や興奮で普段は見せないような突発的な行動を取ることがあり、他の犬とトラブルになる可能性もあります。
愛犬の様子をよく観察し、飼い主の指示にしっかり反応できる状態であることを確認してから、リードを外すようにしましょう。
心配なのであれば最初はリードをつけたまま、ドッグランを楽しみましょう。
ドッグランデビューのポイント⑥「犬から絶対に離れない」

ドッグランでは愛犬を自由にすることができますが、放任していいわけではありません。
飼い主が目を離したすきに、犬同士の喧嘩が起きたり、他の飼い主にぶつかって怪我をさせるなど予想外のトラブルが起きる可能性があります。
常に愛犬の動きに目を配り、必要であればすぐに助けたり制止できる距離にいることが大切です。
ドッグラン内で自由にさせていても、愛犬の周りを離れないようにしましょう。
また、興奮しすぎていないか、疲れていないかもこまめに確認し、適度に声をかけて安心させてあげましょう。
ドッグランデビューのポイント⑦「ドッグランに入れる・入れないは飼い主が見極める」

ドッグランに来たらドッグラン内に入るのが当たり前と思うかもしれませんが、その日のドッグラン内の雰囲気や愛犬の様子を見て「今日はやめておこう」「少し時間を空けよう」と判断するのも、飼い主の大事な役目です。
下記のような状況であれば、トラブルを避けるためにドッグラン内に入るのを一旦検討した方がよいでしょう。
▼こんな状況のときはドッグラン内に入るのは要注意
・常連グループがたくさんいる
・乱暴な遊び方をしている犬がいる
・相性が悪そうな犬がいる
・子供が1人でドッグラン内にいる
・飼い主1人で複数の犬を見ている
・興奮して鳴き続けている犬がいる
・飼い主が近くにいない犬がいる
・おもちゃやオヤツを与えている人がいる
ドッグランは楽しい場所ですが、そのときにいるメンバーや環境によってはトラブルに発展したり愛犬のストレスになる場合もあります。
一度嫌な思いをしてしまうと、お出かけや他の犬を嫌がるようになることもあるので、ドッグラン利用の見極めは慎重にするようにしましょう。

ドッグランはたくさんの犬と触れ合うことができる魅力的な場所ですが、その反面不特定多数の犬や人が利用するためトラブルが起きやすい場所でもあります。
そのため、ドッグランデビューはしっかりと情報を集め、失敗しないための対策を立てておくことが大切です。
今回ご紹介したポイントを参考にして、楽しいドッグランデビューを迎えてくださいね。
<参考文献>
ドッグランにおけるイヌと飼育者の行動
>https://www.jstage.jst.go.jp/article/janip/59/1/59_59.1.13/_pdf
愛犬との絆を深める散歩でマスターする犬のしつけ術 著者:田中雅織
動物看護のための動物行動学
著者/森裕司 武内ゆかり 監修/日本小動物獣医師会 動物看護師委員会
<画像元>
canva

・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。

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