コロコロと天気が変わりやすい梅雨時期、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?特に犬の場合、こうも天気がコロコロ変わると散歩の有無だけではなく、皮膚や関節など、様々なトラブルでケアに追われて悩むことも少なくないと思います。
ただ、そんないくつかあるトラブルの中で、皆さんは肉球にも注意が必要なことを忘れていませんか?
今回は、意外にも梅雨時期に見落としがちな肉球への危険性や適切なケア・対策についてご紹介します。
犬の肉球は丈夫だけど繊細でもある⁉

犬にとって肉球という器官は、実用的な役割を担っています。
自分のニオイを付けたり、地面からの衝撃を吸収して守ったり、ブレーキの役割を果たしたり、断熱剤代わりになったり…。
時には飼い主さんに対しても、癒しを与えたり、フェチの対象になったりと、魅力が絶えないのが肉球だったりしますよね。
ただ、この肉球と言う器官。
実際に実用的な役割をしっかりと果たせるほど丈夫である一方、環境によってはとても繊細な器官で、一度傷が付いてしまうとなかなか治りづらい(再生能力が低い)という特徴を備えています。
その理由としては、以下のようなことが挙げられます。
▼【犬の肉球の再生能力が低い主な理由】
・厚い角質層のため傷付くと新しい角質層に変わるまで時間が掛かる
・血流が少なく栄養の供給が不足しやすい
・常に掛かる摩擦や圧力のせいで再生しづらい
・それぞれの組織の再生メカニズムが異なる
・普段の生活での感染リスクが高く治癒が遅れる
以上のことから、犬の肉球は一度傷が付いてしまうと、なかなか治りづらく、再生能力も低い傾向にあるとされているのです。

けれど、普段私たちが肉眼で目にする愛犬の表面上の肉球は、このように弾力性に富み、一見すると丈夫そうに見えますよね。
しかし、肉球内部の構造を断面図、水平断層図で確認すると、捉え方が少し違って見えてきます。
▼【犬の肉球の構造内部】
これらの画像は、断面図では犬と猫の肉球を表しており、水平断層では犬の肉球を表しています。
ただ、どちらの肉球においても、角質層や真皮層などの厚さが際立ち、また、水平断層の層状上皮、真皮乳頭に関して言えば、複雑かつ繊細なのも見て取れることから、犬の肉球の再生能力が低いと言われる理由には、こうしたところから来ているのだということが分かる構図となっています。
梅雨に関係する愛犬の肉球の危険って?

梅雨の時期は、天気がコロコロ変わるため、天気状況によって気を配らなければならない危険が異なります。
まずは梅雨に関係する肉球の危険性を以下でいくつか確認してみましょう。
▼【梅雨時期に気を付けたい犬の肉球の危険】
・火傷や腫れ
・突起物などによるケガ
・感染症などによる皮膚炎
・肉球ケア不足による皮膚炎
火傷や腫れ
火傷や腫れなどは、梅雨だとあまりピンと来ない方も多いかもしれませんが、梅雨の貴重な晴れた日の散歩では、意外にも高くなる外気温での火傷に注意が必要となります。
特に外気温が25℃前後だった場合、体感温度的にはそれほどでもないかもしれませんが、犬が直接肉球で触れるアスファルトの表面温度は、大体50℃以上にも上るとされています。
そのため、散歩に出掛ける際は出来る限り日が落ちた後、または木陰や芝生があるところを選びましょう。
突起物などによるケガ
通常の散歩でも突起物やガラスの破片は落ちているため、普段から散歩中の危機管理は必要です。
しかし、梅雨時期に散歩に出掛ける場合、人の皮膚同様ふやけやすい肉球はいつも以上にケガをしやすくなってしまいます。
また、こうした突起物やガラス片などのケガは踏んで傷が付いてしまうと、肉球の構造上、傷口はパン!と大きく弾けるように開いてしまうため、梅雨の散歩の際には特に気を配りながら歩きましょう。
感染症などによる皮膚炎
梅雨は高温多湿の影響で、様々な感染症による皮膚炎を引き起こしやすい傾向にありますが、中でも肉球からの感染として気を付けておきたいものに、レプトスピラ症が挙げられます。
レプトスピラは、主にネズミから排泄された尿に触れたり、舐めたり、飲むことによって感染する人畜共通感染症です。
レプトスピラ症は、ワクチン接種を愛犬に行っていれば感染を予防することが可能ですが、万が一ワクチン接種をしていなかったり、愛犬にもともと飼い主さんも気付かなかったケガなどがあった場合、特に雨の降った後の散歩では簡単に感染してしまう可能性があるため、注意しましょう。
肉球ケア不足による皮膚炎
本来、雨が降りやすい梅雨の散歩は、愛犬も飼い主さんもお互い大変なことが多いため、愛犬が室内でトイレをマスターしている場合は無理に散歩に出掛ける必要はありません。
しかし、どうしても外でしかしてくれない場合には、散歩後の肉球ケアはしっかり行うことが大切です。
少しでも肉球の間に水分が残っていたり、肉球の間の被毛が生乾きだったりした場合、それらは皮膚炎の原因になってしまうため、しっかり乾かすよう、注意しましょう。
梅雨時期の肉球ケアと気を付けたい対策

それでは、ここからは梅雨時期に気を付けたい肉球のケアとその対策をご紹介します。
特に梅雨の犬の散歩では、雨の日の場合と、梅雨の晴れ間の暑い場合とでケア方法、対策が変わってくるため、それぞれの違いに合わせて見ていきましょう。
梅雨時期肉球ケア・対策:雨の日
雨の日にどうしても散歩に出ないとトイレが出来ないワンちゃんの場合、その際に必要になる肉球ケアと対策は、次の点に注意が必要です。
<肉球ケア>
・傷などがないかを確認する
・タオルやドライヤーで被毛を完全に乾燥させる
・ウェットティッシュなどでしっかりと汚れを拭き取る
<対策方法>
・可能なら靴を履かせる
・散歩時間の調節を行う
・肉球の間の被毛カット
雨の日は晴れた日と違って、肉球のケアと対策は、特に気に掛けることが大切です。
ただし、肉球は毎回しっかり綺麗な状態を心掛けると、かえって乾燥を招いてしまう場合があるため、晴れた日などはほどほどに抑えておくことも意識しましょう。
梅雨時期肉球ケア・対策:晴れの日
梅雨の晴れた日の肉球ケア・対策方法では、次のような点に注意が必要です。
<肉球ケア>
・保湿クリームを付ける
・ひび割れ、乾燥がないか確かめる
<対策方法>
・早朝や夜などに散歩に行く
・アスファルトではなく日陰や芝生の上を歩く
梅雨の貴重な晴れ間は、犬にとっては散歩に行くのにもってこいの時間ではあるかもしれません。
けれど、それがもしも日中であった場合には、時間をずらして出来る限り暑くない時間帯に散歩に出掛けるよう心掛けましょう。
また、先程も述べましたが梅雨の晴れ間は意外にも気温が上昇しやすく、アスファルトなどはすぐに熱を帯びてしまう危険性があるため、散歩の時には日陰になる場所や芝生のある公園などを歩くよう注意し、帰った後は肉球のひび割れや乾燥がないか、乾燥が見られる時には、保湿クリームなどで水分を補ってあげるよう注意しましょう。
まとめ

梅雨の季節と聞くと、どうしても先立って思い浮かぶイメージとしては、皮膚疾患の悪化や関節炎の悪化が多いかもしれません。
しかし、肉球も分厚い脂肪や角質層、弾性繊維などで構成されてはいるものの、元を辿れば皮膚が変形したものに過ぎず、しっかりと梅雨時にケアを必要とする器官の一つです。
肉球のケアは普段から気に掛けておきたい場所ですが、梅雨でも散歩を必要とするワンちゃんの場合は特に、是非とも皮膚被毛と同じようにしっかり入念なケアを行ってあげてくださいね。
<参考書籍>
イラストでわかりやすい! 愛犬との絆がぐーっと深まる本
観察する目が変わる動物学入門
<参考サイト>
南大阪動物医療センター|「肉球の中身」の話
https://so-amc.com/column/341/
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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