梅雨や台風の時期、雨でも散歩に行かなければならないことがありますね。
そのためにレインコートを買ったけれど、サイズが合わなかったり、愛犬が嫌がって着てくれなかった…という経験をした飼い主さんは多いのではないでしょうか。
では、犬にとってレインコートは必要ないものなのでしょうか。
今回は犬にレインコートを着せるメリット・デメリットや愛犬に合うレインコートの選び方を紹介します。
レインコートへの慣らし方も一緒に紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
<目次>
犬にレインコートを着せるメリット

犬にレインコートを着せる「メリット」はなんでしょうか?
メリットを一覧にまとめてみました。
▼犬にレインコートを着せるメリット
・皮膚への負担を少なくする
・体温低下を防ぐ
・雨による汚れを減らす
・防災やアウトドアの時に役立つ
・雨が苦手な犬のストレス軽減
・皮膚への負担を少なくする
犬の皮膚は善玉菌と悪玉菌が共存していますが、皮膚が濡れた状態が続くと悪玉菌が増えやすく、かゆみや赤みが出やすくなります。
特に膿皮症やマラセチア皮膚炎など皮膚病を持つ犬や、皮膚がデリケートな犬は皮膚が濡れた状態が続くと皮膚トラブルを悪化させやすいです。
皮膚が弱い犬は、雨に濡れることが皮膚の負担になるので、レインコートを着ると皮膚への負担を減らすことができます。
・体温低下を防ぐ
雨に濡れると体が冷えますがが、犬の平熱は人より高いため、急激な体温低下は犬への体への負担が大きいと考えられています。
特に子犬やシニア犬は体温調節が苦手で、少しの冷えで体調を崩しやすく、食欲低下や免疫力の低下につながることもあります。
そのため、レインコートは濡れるのを防ぐだけでなく、体温を保つアイテムとしての役割もあります。
・雨による汚れを減らす
雨の日の散歩は、帰ってからのお手入れが大変ですよね。
泥で汚れた足やお腹、濡れた毛を洗って乾かすのはかなりの手間です。
レインコートを着用すれば、雨の跳ね返りや泥汚れが付く範囲を減らすことができるので、お手入れの負担が減り、飼い主さんのストレスも軽減できます。
・防災やアウトドアの時に役立つ
レインコートは日常だけでなく、防災時やアウトドアにも役立つアイテムです。
災害が起きて避難をしなければならない時に、天気がいいとは限りません。
雨の中を避難しなければならない場合、体温の低下を防いだり、泥などの汚れから体を守るのに役立ちます。
災害時は水が使えない可能性があるので、なるべく汚れや濡れる範囲を少なくすることが大切です。
また、山などは天候が変わりやすいため、キャンプやハイキングなどで急に天候が悪くなったときにも着用できると安心です。
・雨が苦手な犬のストレス軽減
濡れるのを嫌がって、雨の日に外に出たがらない犬は少なくありません。
ですが、散歩に行けない日が続くと運動不足になり、ストレスから問題行動が出始めることがあります。
レインコートは濡れる不快感を軽減できるので、濡れるのを嫌がる犬の外に出るきっかけ作りにも役立ちます。
犬にレインコートを着せるデメリット

では、犬がレインコートを着るデメリットはなんでしょうか。
デメリットを一覧にまとめました。
▼犬にレインコートを着せるデメリット
・覆われるのが苦手な犬はストレスになる
・動きにくく感じる犬もいる
・蒸れやすい
・覆われるのが苦手な犬はストレスになる
体が覆われる感覚やフードで視界が遮られるのを嫌がる犬は着用がストレスになることがあります。
そのため、愛犬が嫌がる場合は無理に着せず、フードはかぶせないなど、その犬に合わせた配慮が大切です。
・動きにくく感じる犬もいる
レインコート素材は硬く伸縮性が少ないものが多いため、犬によっては歩きにくさや動きづらさを感じることがあります。
サイズが合わないレインコートを着用すると、うまく歩けずに転んだり、関節に負担がかかってしまうこともあります。
「フードがずり落ちやすい」「着脱しにくい」など、デザインによっても差が出るため、愛犬の動きを妨げないフィット感のよいもの選ぶ必要があります。
・蒸れやすい
雨の日は湿度が高いので、レインコートの内部が蒸れて、熱がこもりやすいというデメリットがあります。
特に通気性が低い素材だと、散歩中に暑がることもあり、湿度の高い梅雨や夏の雨は注意が必要です。
裏地が工夫されているか、通気性の良い生地を使っているかなど、蒸れ対策があるかチェックすることも大切です。
こんな犬はレインコートを着用するのがおすすめ

レインコートの着用には、メリット・デメリットどちらもありますが、下記のような条件の犬は病気の予防やストレス軽減のために、着用することをおすすめします。
▼レインコートを着用するのがおすすめ
・皮膚が弱い、皮膚トラブルを起こしやすい犬
・子犬・シニア犬など体温調節が苦手な犬
・被毛が長い、毛量が多い犬
・雨の日でも散歩や外出が必要な犬(運動量が多い、外でしか排泄しないなど)
・子犬・シニア犬など体温調節が苦手な犬
・災害時、アウトドアに備えたい犬
「犬のレインコートはどう選ぶ?」愛犬に合うレインコートの選び方

では、愛犬にレインコートを着せたい場合、どういったものを選べばよいのでしょうか。
愛犬に合うレインコートの選び方のポイントは3つあります。
▼愛犬に合うレインコートの選び方
①正確なサイズ選び
②愛犬が嫌がらない形状を選ぶ
③機能性をチェックする
①正確なサイズ選び
レインコート選びで一番大切なのは、正確なサイズ選びです。
1cmの違いで、犬にとって着心地や動きやすさが大きく変わります。
着丈、胸囲、首回りの3か所を、犬を立たせた状態でやわらかいメジャーを使って測りましょう。
可能であれば試着して、動きやすさを確認できるとより失敗しにくいです。
犬のサイズの測る場所
着丈:首の付け根からしっぽの付け根まで
胸囲:胴の一番ふくらんだ部分
首回り:首輪をつける位置あたり
②愛犬が嫌がらない形状を選ぶ
レインコートはサイズ選びが大切とお話しましたが、レインコートは形状も重要なポイントです。
頭からかぶって留めるだけのポンチョタイプは、着脱が簡単で負担が少ないので、着ることに慣れていない犬でも受け入れやすいです。
レインコートを着慣れてきたら、おなかまで覆えてサイズ調整しやすいストラップつきタイプに移行するとよいでしょう。
汚れや冷えをしっかり防ぎたい場合はフルカバータイプが向いていますが、サイズ選びが難しいため試着が必須です。
初めてレインコートを着る犬にフルカバーはレベルが高いので、ポンチョから慣らし、段階的にステップアップするとよいでしょう。
③機能性をチェックする
形やサイズだけでなく、素材や機能面も確認しておきましょう。
・防水性能:雨の中での散歩が多い場合は高防水タイプがおすすめ
・通気性:ムレにくい素材を選ぶことで、皮膚トラブルの予防につながります
・洗濯、速乾性:雨の日が続く時期でも使いやすく、お手入れが楽になります
散歩の時間や頻度に合わせて、軽さや耐久性などの機能性もチェックしておきましょう。
「いきなり着るはNG?」犬のレインコートの慣らし方

では、愛犬にレインコートを着用させる場合、どうやって慣らしていったらよいのでしょうか。
慣らし方のポイントをまとめました。
犬のレインコートの慣らし方
・いきなり着せない
・スモールステップで少しずつ警戒心を下げる
・嫌がったらすぐに中止
・いきなり着せない
レインコートを初めて着せるときに、いきなり頭からかぶせるのはおすすめしません。
いきなり体を覆われると、犬は強い不安や恐怖を感じることがあります。
まずは「レインコート=怖くないもの」と理解してもらうことが大切なので、いきなりレインコートを着せるのはやめましょう。
・スモールステップで少しずつ警戒心を下げる
レインコートに慣れてもらうために、スモールステップで少しずつすすめましょう。
①レインコートを床に置き、存在に慣れさせる
②背中に数秒だけ乗せ、できたらすぐにおやつと声かけでほめる
③少しずつ触れる時間を延ばしていく
④慣れてきたらおやつをあげながらレインコートを着用する
しっかりほめて「レインコートを着るといいことが起きる」という成功体験を積み重ねてあげましょう。
・嫌がったらすぐに中止
少しでも嫌がる素振りを見せたら、その場でいったん中止してください。
無理をすると、レインコートが「怖いもの」として記憶に残ってしまい、トラウマになることがあります。

レインコート選びの基準は飼い主さんによって違いますが、愛犬の体格や散歩スタイルに合わせて、無理のないものを選ぶことが大切です。
快適に着られる一着が見つかれば、雨の日のお散歩もぐっと楽になりますよ。
<参考書籍>
・動物スキンケア実践ガイド2022 (アジア動物スキンケア検定 公式テキスト)
<画像元>
canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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