初めて子犬を飼うときは、わからないことがたくさんありますね。
とくに「散歩はいつから行っていいの?」「歯磨きはいつからしていいの?」など「子犬はいつから〇〇していいの?」とスタート時期は悩みがちです。
そこで今回は、飼い主さんが悩みがちな、散歩、歯磨き、シャンプーなど子犬の日常に関するスタート時期やスタートする際に感じがちな疑問を解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
子犬はいつから、お散歩デビューできる?

Q.「子犬はいつから散歩デビューできるの?」
A.「混合ワクチンや狂犬病ワクチンなど、すべてのワクチンを打ち終わって、2週間経過してから散歩デビューが可能です」。
子犬は免疫力が十分についていないため、生後6~16週頃の間に3回ワクチン接種を行い、その後に狂犬病の予防接種を行います。
▼ワクチンスケジュール例
・1回目のワクチン/生後6~8週齢頃
・2回目のワクチン/生後12週齢程度(1回目の接種から2~4週後を目安)
・3回目のワクチン/生後16週齢程度(2回目の接種から2~4週後を目安)
・狂犬病予防接種/3回目の混合ワクチン接種から3~4週後を目安
体に十分な免疫が得られるのは、3回目の混合ワクチン接種が終わってから2~3週間たった頃と考えられています。
そのため、すべてのワクチン接種が終わった2週間後頃からお散歩デビューを勧められることが多いです。
・お散歩デビューの疑問点
Q.ワクチン接種後にお散歩デビューをすると、子犬の社会化が終わってしまいます。
社会化のために早めに外に出した方がいいですか?
▼子犬の「社会化」ってなんですか?
子犬の周りは初めての音や物であふれていますが、子犬は経験値がないので「安全なのか」「危険なのか」の判断がつきません。
そのため、初めて見る物や音に対して警戒したり、怖がったりすることがあります。
それを「怖くないよ」と教えていくのが社会化であり、社会化に最適な期間を「社会化期」といいます。
社会化期は非常に短く「生後3週齢~12週齢(長くて16週齢)」と言われており、ワクチンスケジュールと重なってしまいます。
しかし、この時期をすぎると警戒心の方が強くなってしまい、物や音に慣らすのに時間がかかってしまいます。
そのため、感染症に十分注意しながら、ワクチン接種が完了するよりも早く外の環境に慣らし、色々な経験をさせていくことが大切です。
「家族以外の人に遊んでもらう」「抱っこやカートで散歩をする」「感染症管理が徹底されたパピーパーティーに参加する」など工夫をしながら社会化を進めていきましょう。
子犬はいつから、歯磨きをしていいの?

Q.「子犬はいつから歯磨きをしていいの?」
A.「乳歯が生えそろう2、3ヶ月頃から歯磨きを始めましょう」。
犬の乳歯は生後2~3ヶ月頃に生え揃います。
そのため、離乳食開始の時期から口の中をチェックし、乳歯が生え始めたら少しずつ歯磨きをはじめましょう。
1歳頃までに永久歯に生え変わりますが、永久歯になってから歯磨きを始めると、違和感を覚えて嫌がる子が増えてきます。
苦手意識を持つ前に口の中を触ることに慣れてもらい、歯磨きを習慣化させましょう。
・子犬の歯磨きの疑問点
Q.歯磨きがなかなか習慣化できません、どうしたら習慣化できますか?
子犬の歯磨きを習慣化させるためのポイントは「3つ」あります。
▼子犬の歯磨きを習慣化するためのポイント
①「完璧でなくていいから続ける」
②「頑張ったご褒美をあげる」
③「オーラルケアの知識を増やす」
①「完璧でなくていいから続ける」
歯の汚れを完璧に落とそうとすると、歯磨きの時間も長くなり犬がじっとしている時間も長くなります。
完璧に磨けなくてもいいので、毎日少しずつ継続し、まずは歯磨きを習慣化させましょう。
②「頑張ったご褒美をあげる」
歯磨きの概念がない犬にとって、口を触られるのは嫌なことの連続です。
「スキンシップをたくさんとる」「好きな味の歯磨き粉を探す」「歯磨き後にオヤツをあげる」など歯磨き後に愛犬も楽しめるご褒美を用意すると、愛犬も受け入れやすくなるかもしれません。
③「オーラルケアの知識を増やす」
「口臭は歯周病のサイン」「歯周病は全身疾患も引き起こす」など犬のオーラルケアの知識を持っていると「放置するともっと大変なことになる」という危機感を持ちます。
歯磨きが継続できないという方は、歯磨きを怠るとどんなデメリットが起きるかなど、犬のオーラルケアに関する知識を増やして行動のきっかけにするのもおすすめです。
子犬はいつから、おやつをあげていいの?

Q.「子犬はいつからおやつをあげていいの?」
A.「離乳食が終わった生後3ヶ月頃から与えてOK」。
子犬におやつをあげ始めるタイミングは、離乳食が終わって子犬用フードへ移行する生後3ヶ月頃が目安です。
離乳食中は消化器官が未発達なので、与えるおやつによっては消化不良を起こす可能性があります。
ただ、おやつはフードを食べなくなる原因にもなるので、おやつの量や与えるタイミングは十分注意して与えてください。
・子犬のおやつの疑問点
Q.子犬にはどんなおやつを選べばいいのですか?
子犬に与えるおやつは、子犬用や全ステージ対応と表記があるものを選びましょう。
また、おやつを与え始める生後3ヶ月頃はまだドッグフードを柔らかくして与えていることも多いです。
おやつは小さくて柔らかく、溶けやすいクッキーやボーロなどがおすすめです。
硬いジャーキーや骨などは誤って丸呑みしてしまうと、消化管を傷つけてたり、消化管におやつを詰まらせるおそれがあります。
また、子犬が食物アレルギーを持っている可能性もあるので、初めておやつを与えるときは、少量を動物病院が開いている時間帯に与えるようにしましょう。
子犬はいつから、シャンプーをしていいの?

Q.「子犬はいつからシャンプーしていいの?」
A.「自宅でシャンプーする場合は、混合ワクチンを1回接種した1週間後からOK。トリミングの場合は、混合ワクチンや狂犬病の接種が終わり、2週間以上経過してからにしましょう」。
ワクチン接種後は発熱、嘔吐や下痢といった副反応が起こる場合があり、見た目より体力が衰えていることがあります。
そのため自宅でシャンプーをする場合は、混合ワクチンを1回接種し1週間あけてから行いましょう。
トリミングサロンにお願いする場合は、混合ワクチンを3回接種し、接種から2週間以上経過して体調が良い日に連れていきましょう。
サロンは不特定多数の犬が集まるので、十分な免疫力がついていない状態で連れていくのは避けておいた方が安心です。
・子犬のシャンプーの疑問点
Q.子犬をシャンプーするときの注意点はなんですか?
子犬をシャンプーするときの注意点を一覧にまとめました。
・いきなりシャンプーをはじめない
・犬用のシャンプー剤を使う
・体温が低下しないように短時間で入れる
・皮膚が弱い場合は、動物病院に相談する
いきなりシャンプーすると子犬は意味がわからず、シャンプーに苦手意識を持ってしまう可能性があります。
シャンプーをしたい日を決めて、その前に「身体に触られることに慣れる」「水音に慣れる」「お風呂場に慣れる」「水に濡れることに慣れる」など段階を追って少しずつシャンプーに慣らしていきましょう。
また、犬の皮膚と人の皮膚ではpHが異なるので、皮膚トラブルを避けるために必ず犬用のシャンプーを使いましょう。

子犬の散歩デビューやシャンプーの開始時期などスタート時期の疑問は解消できたでしょうか?
今回ご紹介した内容を参考に、愛犬の様子をよく観察し、その子に合ったペースや方法を少しずつ見つけていってくださいね。
<参考書籍>
・ドッグ・トレーナーに必要な「子犬レッスン」テクニック
ヴィベケ リーセ (著) 藤田 りか子
・犬の行動学入門 鹿野正顕、中村広基 (著), 森 裕司 (監修)
・動物の精神科医が教える 犬の咬みグセ解決塾 著者 奥田順之
<画像元>
canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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