愛犬とのお出かけ先として人気の「ドッグラン」。
ノーリードで走り回れる自由な空間は、飼い主さんにとって魅力的ですよね。
しかし、「うちの子、ドッグランに行って大丈夫?」「トラブルが多いって聞くけど…」と行くことに不安を感じている方も少なくありません。
そこで今回は、ドッグランに行くべきか悩んでいる方向けに「ドッグランのメリット・デメリット」や「起こりやすいトラブルと対策」を解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
<目次>
「ドッグランってどんな場所?」利用マナーもおさらい

ドッグランは、犬がリードを外して自由に遊べる専用スペースのことで、公園内やペット可の施設などに併設されています。
一口にドッグランと言っても「管理者が常駐していない小規模タイプ」「体重ごとにエリアが分かれているタイプ」「貸し切りタイプ」など様々あるので、愛犬のサイズや性格に合わせて選ぶとよいでしょう。
▼知っておきたい”ドッグランの利用マナー”
・ワクチンや狂犬病予防接種の証明書の提出
・発情期の犬や伝染性の病気にかかっている犬は利用不可
・攻撃的な性格や飼い主が制御できない犬は利用不可
・排泄物の始末は飼い主が責任を持って行う
・出入りの際はリードをつける
・おもちゃや食べ物の持ち込みは要確認
・他の犬と触れ合う場合は飼い主の許可をとる(写真撮影など)
・子供を連れて行く場合は要注意(衝動的な動きは犬の警戒や攻撃対象になりやすい)
ドッグランはいろんな方が利用する施設なので、トラブル防止のために利用マナーが細かく設定されていることが多いです。
今回は一般的な利用マナーをご紹介します。
愛犬の身を守ったり利用者が気持ちよく過ごすために必要な配慮なので、マナーは必ず守るようにしましょう(施設によって利用規約が異なるので要確認)
(※)おもちゃや食べ物の持ち込みが許可されていることもありますが、他の犬が欲しがってトラブルに発展することがあるので、持ち込まない方が安全です。
「ドッグランのメリットは?」運動不足の解消やストレス解消など

ドッグランの利用はそれぞれメリットとデメリットがあります。
ドッグランを上手に活用するために、メリットとデメリットをきちんと把握しておきましょう。
▼ドッグランのメリット
・運動不足やストレスの解消
・社会性の向上
・飼い主同士交流ができる
・運動不足やストレスの解消
ドッグランの最大のメリットはリードを外して思いっきり走り回れることではないでしょうか。
散歩は犬の運動と捉えられがちですが、運動は大きく体を動かす運動(例:投げられたボールを取りに行く)のことを指すので、全身を大きく動かす機会を意識的に作らないと運動不足になりストレスを貯めがちです。
そのため、毎日の散歩にプラスして週末などにドッグランに行くと日頃の運動不足やストレスを解消することができます。
・社会性の向上
ドッグランでは、他の犬とふれあう機会が多いです。
若いうちにいろんな犬と接触する経験を積むとストレスの許容値が増え、将来的に吠えや攻撃性といった行動トラブルを減らす効果が期待できます。
また相手の動きに合わせて遊び方を学んだり、距離感を保つスキルが育まれます。
普段接している家族意外の人や犬との触れ合うことで社会性の向上に役立ちます。
※普段はおとなしい子であっても見知らぬ犬や初めての雰囲気に恐怖を感じ、パニックになる場合があります。必ず飼い主さんが付き添って落ち着かせてあげてください。
・飼い主同士交流ができる
ドッグランは、犬同士だけでなく飼い主同士のコミュニケーションの場にもなります。
「どこの動物病院が良い?」「ドッグフードでオススメってある?」といった情報交換や相談が気軽にでき、犬友達が増えることで楽しみが増える方も多いです。
また、「トイレトレーニングがうまくいかなくて…」といった飼い主さんが抱えがちな悩みを共有し安心感を得られるのも魅力です
「ドッグランのデメリットは?」ケガや感染症、トラブルのリスクなど

反対にドッグランのデメリットはどんなことがあるのでしょうか。
▼ドッグランのデメリット
・咬傷事故やトラブルが起きる可能性がある
・感染症にかかる可能性がある
・愛犬のストレスになる可能性
・咬傷事故やトラブルが起きる可能性がある
ドッグランでは、初対面の犬が同じ空間で遊ぶため、相性が合わなかったりテンションの差でケンカや咬傷事故が起こる可能性があります。
特に小型犬と大型犬が一緒にいると、悪気がなくても体格差で怪我をしてしまったり、狩猟本能にスイッチが入って追いかけられる恐れもあります。
事故を防ぐために「愛犬から目を離さない」「サイズ別エリアを利用する」などの対策を取ることが大切です。
・感染症にかかる可能性がある
ドッグランは不特定多数の犬が利用するため、ウイルス性疾患(パルボウイルスなど)やノミ・ダニの感染リスクがあります。
また共有の器やおもちゃを使用することで感染が広がる可能性もあります。
感染予防のためには、定期的なワクチン接種やノミ・ダニ予防が必須です。
心配な場合は、利用者数の少ない時間帯や衛生管理が行き届いた施設を選ぶとよいでしょう。
・愛犬のストレスになる可能性
「ドッグランは楽しい場所」というイメージが強いですが、すべての犬にとって快適な場所とは限りません。
他の犬が苦手な子や臆病な性格の子にとっては、知らない犬に囲まれること自体が大きなストレスになります。
無理に慣れさせずに、短時間の滞在から始めたり、空いている時間を選ぶなど配慮してあげましょう。
「実例紹介」ドッグランでよくあるトラブルと対処法

ドッグランに行くうえで一番心配なのが、人や犬同士のトラブルですね。
実際にドッグランでどんなトラブルが起きているのでしょうか。
2つ事例を紹介します。
▼実際に起きたドッグランでのトラブル①
犬種に制限のないドッグランで、ウィペットを連れて遊んでいた飼い主が、ボーダーコリーを連れた別の飼い主と遭遇。ボーダーコリーは到着直後から興奮状態で、リードを外すとすぐにウィペットを追いかけ回した。驚いたウィペットは逃げ回り、鳴き声とともに頭から出血。噛まれた可能性が高いにも関わらず、ボーダーコリーの飼い主は軽く謝っただけで、抗議にも無反応だった。ウィペットの傷は浅かったがショックが大きく、車に乗ると震えるなどの変化が見られるようになった。
引用元: https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20171102-OYT8T50046/4/
実際に起きたドッグランでのトラブル②
小・中型犬エリアのドッグランで、柴犬が遊んでいたところ、老夫婦が孫とミニチュアダックスフントを連れて入場。柴犬が孫に飛びつき、孫は転倒して頭を打ち大声で泣き出した。老夫婦は柴犬の飼い主を激しく非難し、連絡先を聞いて孫を病院へ連れて行った。
しかし、このドッグランには「小学生以下の入場は禁止」というルールがあり、ルール違反は老夫婦の方だったにも関わらず一方的に責められ、納得できなかった。
引用元: https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20171102-OYT8T50046/4/
ドッグランのトラブルはなぜ起きる?トラブルを防ぐ対処法
どちらのトラブル事例も自分が遭遇したらと考えると、非常に不安な気持ちになりますね。
こういったトラブルはどうして起きてしまうのでしょうか。
ご紹介した事例に共通していることが3つあります。
▼ドッグランでトラブルが起きる原因3つ
①「ドッグランのルールやマナーを把握していない」
②「飼い主が自分の犬を制御できていない」
③「飼い主が自分の犬のことを把握していない」
最初にお話しましたが、ドッグランは不特定多数の人が利用するので、規約や利用マナーが細かく定められています。
しかし、そのルールを軽視したり愛犬のことを制御できない人が好き勝手に振る舞った結果トラブルが発生しています。
では、こういったトラブルに巻き込まれないために、自分たちが取れる対策はあるのでしょうか。
対処法を一覧にまとめました。
▼ドッグランでのトラブルを防ぐ対処法
・犬から絶対に目を離さない(スマホもNG)
・犬が環境に慣れてからリードを離す
・相性が悪そうな犬がいたらすぐに外に出る
・利用施設のルールや規約を把握する
・おもちゃや食べ物は持ち込まない
・子供の入場はできる限り避ける
・サイズごとの区分けを守る
・犬と交流するときは飼い主に許可をとる
・予防接種は必ず行う
・トラブルが起きたら管理者に必ず連絡する
トラブルが発生した場合、どれだけ自分がトラブル防止策を取っていたかが争点になるので、施設の利用規約や対処法はきちんと把握しておく方がよいでしょう。

ドッグランは上手に利用すれば、愛犬の健康や社会性の向上に役立ちますが、不特定多数の人や犬が利用するため、トラブルが発生しやすい場所でもあります。
必ず行かなければならない場所ではないので、愛犬の性格やメリット・デメリットを照らし合わせて決めてあげてくださいね。
<参考文献>
ドッグランにおけるイヌと飼育者の行動
>https://www.jstage.jst.go.jp/article/janip/59/1/59_59.1.13/_pdf
愛犬との絆を深める散歩でマスターする犬のしつけ術 著者:田中雅織
動物看護のための動物行動学
著者/森裕司 武内ゆかり 監修/日本小動物獣医師会 動物看護師委員会
<画像元>
canva

・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。

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